日用品愛好家の休日 vol.4|リサイクルショップって、ワンダーランド。

日用品愛好家・渡辺平日が、雑貨やインテリア、家具など、「もの」の話をお届けします。今回のテーマは「リサイクルショップ」。リサイクルショップの楽しみ方や入手したお宝を紹介します。
渡辺平日 2022.06.28
誰でも

先日、取材で錦糸町に行ってきました。

仕事を首尾よく終わらせたあと、ご飯でも食べて帰ろうとブラブラしている時、超ディープなリサイクルショップを発見。空腹も忘れてたまらず飛び込みました。

リサイクルショップで発見した花瓶。おそらくインド製で、おそらくハンドペイント。一見、派手に思えますが、絵柄や色味が絶妙で、けっこう空間になじんでくれます。ちなみにお値段は500円でした(1200円くらい? と当たりをつけていたのでかなり嬉しかった)。

リサイクルショップで発見した花瓶。おそらくインド製で、おそらくハンドペイント。一見、派手に思えますが、絵柄や色味が絶妙で、けっこう空間になじんでくれます。ちなみにお値段は500円でした(1200円くらい? と当たりをつけていたのでかなり嬉しかった)。

果たして店内には掘り出し物がありました。それもけっこうな数です。――といっても簡単に見つけたわけではなく、かなり粘り強く店内を見てまわった結果で、そのぶん喜びもひとしおでした。

というのも、この手のリサイクルショップの多くは、(前向きな意味で)カオスなんですよね。

値札が3枚も貼られている商品、値札が貼られていない商品。商品っぽい私物や、私物っぽい商品……。

こういうものが入り乱れており、スマートに買い物することはほぼ不可能です。だからこそお宝に巡り会えた時の喜びは格別となるわけです。

同じ店で「入手」した鳥の置物。なんだかとっても縁起がよさそうです(どこかの神社の授与品かもしれない)。花瓶を購入してお店を出ようとしている時に発見。値札がなく、どこか所在なさげにしているのを不憫に思い、「これはいくらですか?」と尋ねたところ、「うーん。花瓶を買ってくれたし、タダでいいよ」と……。こういうやり取りも個人経営店ならではですね。

同じ店で「入手」した鳥の置物。なんだかとっても縁起がよさそうです(どこかの神社の授与品かもしれない)。花瓶を購入してお店を出ようとしている時に発見。値札がなく、どこか所在なさげにしているのを不憫に思い、「これはいくらですか?」と尋ねたところ、「うーん。花瓶を買ってくれたし、タダでいいよ」と……。こういうやり取りも個人経営店ならではですね。

言葉遊びをするみたいですが、ほとんどの人にとってリサイクルショップは、ただのリサイクルショップでしかありません。でも僕のような人間にとっては、そこは「ワンダーランド」なのです。

さて、いささか唐突ではありますが、夢の国を訪れるにあたって、よりよい買い物をするコツをいくつか共有したいと思います(いずれも自分が身を削りながら得た知見です)。

・物怖じしない

先にも述べましたが、値札が付いてない商品や、そもそも商品かどうか分からないものがけっこうあります。

そのまま帰る人も少なくないでしょうが、ぜひ物怖じせずに値段を尋ねてみてください。

「それは売り物じゃないよ」と言われることも多いけど、後ろ髪を引かれながら撤退するよりは、はるかにすっきりします。

・大きいバッグは持ち込まない

個人経営のリサイクルショップの多くは、すさまじい物量を自慢としています。

結果として、通路や出入り口が狭くなっており、バックパックなんかを背負っていった日には買い物に支障が出ます。コンパクトなエコバッグを用意するといいでしょう。

あと、これはお店にもよりますが、しっかりとした緩衝材が用意されてない場合もあります。食器や花瓶なんかを探している場合はプチプチを持っていくと安心です。

・少人数で訪れる

通路でのすれ違いで苦労するようなお店が多いので、大人数で訪れるのは控えるべきです。多くても2人くらいに抑えておくのがベターでしょう。

・根気よく足を運ぶ

この種の店舗に行ったことのない人にとっては驚くべき事実かもしれませんが、明らかに販売しているアイテムなのに、売ってくれない場合があります。

といっても別に意地悪をしているわけではありません。店員さんにも値段が分からないケースがあるのです。

「これの値段? えーと……。ちょっといま、店長が外出してるので、分からないなあ。また店長がいる時に来てもらえますか?」

――分からないものは仕方がありません。どうしても諦められない場合は、日を改めて訪れるようにしましょう。

***

ほかにもいろいろとコツがありますが、今回はこのあたりで。なにかいいものと出会えることを祈っています。

***

まずまずの素晴らしいものを求めて何かにのめり込む人間はいない。九の外れがあっても、一の至高体験を求めて人間は何かに向かっていくんだ。

村上春樹(1992)『国境の南、太陽の西』、講談社

語弊を恐れずに言うと、個人経営のリサイクルショップには、「当たり外れ」があります。その振り幅はあまりにも凄まじく、博打に負けたときはどっと疲れてしまうほどです。

それでも僕はめげずに何度もそこに足を運びます。一の至高体験を求めて。

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